問題提起:
「従業員全員が個人アカウントを使って業務をしている」という状況、心当たりはありませんか?情報漏洩や管理の煩雑さ、退職者のデータ引継ぎ問題など、見過ごせないリスクが潜んでいます。このままで本当に大丈夫でしょうか?
記事を読んでわかること:
この記事では、Google Workspaceを導入することで得られるメリットや、個人アカウントとの違いを具体的に解説します。また、導入ステップや活用例を交えながら、業務効率を劇的に改善する方法をお伝えします。
記事を読むメリット:
Google Workspaceの具体的な導入効果が分かり、経営者としての不安を解消できます。さらに、実践的な情報をもとに、DX(デジタルトランスフォーメーション)を成功に導く第一歩を踏み出せるでしょう。
DXの重要性とGoogle Workspaceの可能性
DXの重要性
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業が競争力を維持し、成長を続けるための必須課題となっています。DXとは単にデジタルツールを導入するだけでなく、業務プロセスの効率化や企業文化の変革を通じて、付加価値を生み出すことを目指します。
特に中小企業にとって、DXはリソース不足を補いながら大企業と競争するための強力な手段となります。販売システムや会計ソフト、ECサイトの構築やチャットツールなど、さまざまなシステムの導入による、業務の効率化は皆さん想像されるところかと思います。一方で、これらは社内の一部の業務を深く効率化することが多く、もっと社内全体に広く満遍なく影響を及ぼすものはないかと考えられたことはないでしょうか。そのニーズに応えるものがグループウェアです。グループウェアとは、企業内のコミュニケーションを円滑にし、業務効率化を促進するためのソフトウェアです。このグループウェアの代表格として、今回ご紹介するGoogle Workspaceがあります。
Google Workspaceの可能性
Google Workspaceは組織向けオンラインアプリケーションセットです。メールやチャット、会議などのコミュニケーションツールとしてはもちろん、Microsoftで言うところのWordやExcelにあたるアプリケーションを包括的に提供してくれるものになります。
中には従来の個人向けGoogleアカウントで満足している企業も多いですが、Google Workspaceを活用すれば組織で利用する上で、さらに大きなメリットが得られます。個人アカウントとの違いを明確にしながら、その可能性を掘り下げていきましょう。
個人アカウントとGoogle Workspaceの違い
Google Workspaceは、個人アカウントでは実現できない企業向けの機能を多数備えています。以下にその違いを詳しく見ていきます。
セキュリティ・アカウントの管理体制
個人アカウントの課題
個人アカウントは無料で使えるというメリットはありますが、社員一人ひとりが独自にアカウントを作成し、業務で使用する必要があります。また、社員が退職した場合、業務に関するデータやメールの管理が難しくなります。また、アカウントのセキュリティ設定は各社員任せとなり、漏洩リスクも高まります。
Google Workspaceの利点
Google Workspaceでは、管理者がアカウントを一元管理できます。例えば、社員が退職する際にはそのアカウントを無効化し、データを別の社員に簡単に引き継ぐことが可能です。また、パスワードポリシーや2段階認証の設定を組織全体で統一できるため、セキュリティの強化にも繋がります。
使用可能な機能とストレージ
個人アカウントの課題
無料の個人アカウントでは15GBのストレージしか利用できません。また、Google MeetやGoogle Driveの高度な機能が制限されています。
Google Workspaceの利点
Google Workspaceではプランに応じてストレージ容量を柔軟に拡張できます。さらに、Google Meetではより多くの参加者を招待でき、長時間会議や録画機能も利用可能です。これにより、業務用途での利用が格段に便利になります。またAppSheetというノーコードアプリも共有利用が可能となり、業務アプリを簡単に作成・共有することができるようになります。
コラボレーションと共有の仕組み
個人アカウントの課題
ファイル共有の際、社員個別での操作が必要となり、誤って重要なデータが外部に流出するリスクがあります。また、ファイルの編集権限を細かく管理するのが難しいです。
Google Workspaceの利点
Google Workspaceでは、共有ドライブを利用してチーム単位でのデータ管理が可能です。共有範囲を明確に設定できるため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。さらに、Google DocsやSheetsではリアルタイムで複数人が同時編集できるため、チームの生産性が大幅に向上します。
サポート体制
個人アカウントの課題
トラブルが発生した場合、FAQやフォーラムを利用して自己解決する必要があります。時間がかかる上、緊急時には対応しきれません。
Google Workspaceの利点
Google Workspaceでは24時間365日のサポート体制が整っています。トラブルが発生しても迅速に解決できるため、業務への影響を最小限に抑えることができます。
Google Workspaceを活用したDXの具体例
Google Workspaceは、単なるツールの集合ではなく、業務の効率化や価値創造の基盤となるプラットフォームです。ここでは、具体的な活用シーンを3つのカテゴリに分けて解説します。
業務効率化の実現
Google Workspaceを活用することで、業務のあらゆるプロセスを効率化できます。
特にルーティン業務やデータ管理、情報共有の場面で効果を発揮します。
メールとタスクの一元管理
Gmailのラベル機能を活用して、重要なメールをカテゴリに分けたり、期限付きのタスクを対象の担当者に振分けたりすることができます。これにより、対応漏れを防ぎ、チーム全体で進捗を共有できます。さらにGoogle カレンダーと連携させることで、会議やプロジェクトの締め切りを自動通知することができます。手動入力の手間が省け、スケジュール管理が大幅に楽になります。
リモートワークでも円滑な会議
Google Meetでは、ビデオ会議中にリアルタイムで資料を画面共有することが可能です。従来の会議で発生していた「資料を送る時間」や「話し合い後の整理作業」が不要になります。また会議の録画機能を使えば、不参加者であっても後日内容を確認でき、意思疎通がスムーズになったり、録画の一部の内容を議事録に添付することで、会議の熱量を感じる事もできます。
チームコラボレーションの強化
チーム内のコミュニケーションや共同作業を強化することは、DXの重要な柱です。Google Workspaceのリアルタイム編集や共有機能を活用することで、生産性を飛躍的に向上させられます。
リアルタイムでの共同作業
Google DocsやGoogle Sheetsでは、複数人が同時に編集でき、変更履歴も自動で保存されます。コメント機能を使えば、具体的な修正指示や質問を記録し、メールのやり取りを減らせます。特にSheetsはMicrosoftのExcelにはない、独自関数を用いることで、例えば担当者が入力するsheetから必要なデータをピックアップして、管理者だけに共有されたsheetで、経営分析を行うなどの高度な仕組みを構築する事も可能です。
チャットとファイル共有の統合
Google Chatを活用することで、日々のコミュニケーションを効率化することができます。日々の連絡はもちろんの事、特定のプロジェクトごとにチャットルームを作成し、関連資料を共有ドライブで一元管理できます。Slackのような追加ツールを導入せず、Google Workspace内で完結する点がコスト削減につながります。
データ活用と意思決定の迅速化
企業が成長するためには、膨大なデータを迅速に分析し、適切な意思決定を下すことが重要です。Google Workspaceにはデータ活用を支援する機能が揃っています。
データの可視化と共有
Google SheetsやGA4と連携してLooker Studioを利用することで、売上データや業務パフォーマンスを視覚化することが可能です。これにより、関係者全員が現状を把握し、次のアクションを明確にできます。リアルタイムのデータ共有で、営業会議や経営戦略会議の質が向上します。
定型業務の自動化
Google Apps Scriptを活用して、反復的なタスク(例:データの集計やメール通知)を自動化できます。これにより人的ミスを減らし、社員がより価値の高い業務に集中できる環境を提供します。
またApp Sheetを活用した業務アプリを作成することで、今まで他社で使っていた有料ツールをGoogleに一まとめにする事も可能です。
Google Workspace導入のデメリット
Google Workspaceを利用する上で、大きなデメリットはありませんが、以下のようなものは少なからず考えられます。
インターネット環境への依存
インターネット回線が不安定な場合、サービスの利用が制限される可能性があります。またオフライン作業下においては、リアルタイムな共同編集やファイルアクセスが難しい場合があります。またGoogleのサーバーに障害が発生した場合、サービス全体が利用できなくなる可能性がありますが、こちらは公式に最高の安全性と 99.9% の稼働率を保証しているとされています。
セキュリティへの懸念
個人アカウントのGoogleサービスの利用に比べて、セキュリティは格段に担保されているとは言え、クラウド上にデータを保存するため、情報漏洩のリスクがゼロではありません。
特にパスワード管理を徹底しないと、アカウントが乗っ取られる可能性があります。
また現状で他のシステムを利用している場合、既存のシステムとGoogle Workspaceを連携させるには、設定や開発が必要な場合があります。
費用
無料の個人アカウントに比べると機能が充実していますが、当然ながら費用がかかります。ただし、無料のトライアル期間や一部機能制限付きではありますが、管理コンソール機能を兼ね備えた無料利用プランも存在します。
以上のようなデメリットがありますが、DX化においてはどれも最低限避けては通れないリスクになります。これらを加味した上でも、ほとんどの場合はGoogle Workspace導入によるDXで受ける業務効率化、総費用削減の効果は大きいと感じる企業は多いでしょう。
Google Workspace導入のステップ
導入を成功させるためには、計画的なアプローチが重要です。以下のステップを順に進めることで、スムーズに活用を開始できます。
まず、現行の業務フローや課題をリストアップしましょう。どの業務プロセスを効率化したいのか、どの機能が必要なのか、目的を明確にすることが重要です。
Google Workspaceには複数のプランがあり、企業の規模やニーズに応じて選択できます。試用期間を利用して実際の使用感を確認し、最適なプランを選びましょう。
以下参考までにプランの選択ポイントを記載してます。
- Business Starter
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680円/月~
ユーザー 1 人あたり30 GB
100 人まで参加可能なビデオ会議 - Business Standard
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1,360円/月~
ユーザー 1 人あたり2 TB
150 人まで参加可能なビデオ会議、会議の録画(録画はこのプランから) - Business Plus
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2,040円/月~
ユーザー 1 人あたり5 TB
500 人まで参加可能なビデオ会議、会議の録画、出欠状況の確認(ウェビナーに便利)
導入初期における社員教育は、Google Workspace活用の鍵となります。トレーニングを提供し、定期的なサポートを行うことで、全社員が効率的に使いこなせる環境を作りましょう。
場合によっては外部サポートを利用するのも有用です。
まとめと次のステップ
Google Workspaceは、単なるツールではなく、企業のDXを支える強力な基盤です。導入することで業務効率化、データ管理の向上、そして持続的な成長を実現できます。まずは無料トライアルを試し、具体的な活用法を体験してみてください。
弊社は最終的なゴールを自社での経理業務完結、「経理の内製化」とする会社を全面的にサポートします。今回ご紹介したGoogle Workspaceの導入サポートはもちろん、業務効率化や内部統制化も得意としています。
業務フローの見直しや経営者にとって有用な管理会計の構築、既存のシステム利用はもちろん、新たなICTの導入についても一緒に行います。また既存社員の育成や、新たな人材採用に必要な募集要項作成から面接に至るまで、ワンストップでサポート致します。是非ご相談ください。